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特集記事

 工房Miyaの作品の周辺情報などをお届けします


カヤ(榧)の木と碁盤

(2006年5月24日)

4月に、宮崎県山之口町(今は都城市)に、青井岳の榧(カヤ)の木を見に行きました。みやざきの巨木百選に選ばれています。
樹齢は500年、樹高は30メートルだそうです。

近くにはきれいな川もあって、散策するにはちょうど良いかもしれません。


※榧(カヤ)は、イチイ科カヤ属の針葉樹です。

ちょっと離れたところ&下側から写真を撮ってみました。なかなか立派な木ですね。


現地へのアクセス:

JR日豊本線青井岳駅から徒歩で約30分(道は悪いですが木の近くまで車でアクセスすることもできます)、または宮崎自動車道田野ICから国道269号線を都城方面へ約20分、青井岳地区から青井岳林道を進み終点で下車。そこから徒歩10分。

カヤの木の幹はこんなかんじです。
日向(宮崎県)の榧は、急峻な地形と痩せた土壌という厳しい環境で育つため、成長が遅く年輪幅が詰まっていて、赤みを帯びた独特の色を持ちます。さらに、斜面に根を張るものが多いことから、幹の中心(芯)が偏る、いわゆる「偏心」が見られ、このため碁盤材としての利用価値が高まっています。平成3年(1991)11月の入札で、綾営林署館内から出品された日向カヤ1.4立方メートルが、1本のカヤとしては過去最高の1400万円で落札された記録があります。(『みやざき 巨樹の道』より)
日向の榧は山のダイヤとも呼ばれているそうです。


榧の造林はまだ試験段階のようで、平成7年度のデータでは宮崎県内で約3haにすぎないようです(宮崎県林業技術センター)。  ※1ha=100m×100m、10,000平方メートルです。
生育条件を良くして速く成長させれば、宮崎の榧の良さがなくなってしまうし、気の遠くなる時間を経てやっと手に入る木材だ、ということですね。


碁盤に使う榧の木は、原木が直径1メートル以上、樹齢300年以上(!)と限定されるそうです。そして、その原木からどのような方向で碁盤を切り取るかによっても、碁盤の価格が大きく違ってきます(詳しくは、山川碁盤店・高級榧碁盤のページをご参照ください)。
ある程度の大きさに切った後は、何年も乾燥させやっと製品にすることができます(詳しくは、山川碁盤店・製造工程のページをご参照ください)。
ちなみに、碁盤の目は、黒漆で描かれています。真っ直ぐな線を描くために、日本刀(!)を使っています。


山川碁盤店で撮影させていただいた碁盤です。
いわゆる「木裏」の木取りです。この碁盤の価格は30万円以上!

樹脂が多く含まれているところが濃い色になっています。上品な木目ですね。
確かに、赤色がかっている方が見た目にも高級感が漂います。
そして年月が経つにつれて、だんだんアメ色に変化していきます。




榧の木の時計です。碁盤の側面の様子を再現したくてつくりました。まるで筆で描かれたような模様です。
榧の木を使った時計はこちらで販売しています。


榧の木のきれいな黄色を生かしたオレンジ時計です。こちらで販売しています。


榧の木は、独特の香りがします。作業をしていると、お菓子の八つ橋みたいな香り(ちょっと違うんだけど・・・)が部屋に漂います。



リンク

宮崎市の山川碁盤店のウェブサイトはこちら。いろいろなことを教えていただきました。ありがとうございました!


参考文献

『みやざき 巨樹の道』池田隆範著、鉱脈社


宮崎市の山川碁盤店で撮影させていただいた榧の木の写真です。挿し木だそうです。

枝が四方に出るのも榧の特徴だそうです。