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木のカトラリーができるまで



1.木の種類


2012年から、ヒノキは宮崎県産を使っております。
楓・欅は国産です。


ヒノキ(檜)

  ヒノキ科ヒノキ属の常緑針葉樹。ヒノキ風呂が有名なように、もともと耐水性の高い木です。とても上品な香りがします。ヒノキを削っていると、部屋中が良い匂いで満たされます。
  漆がよく染み込むので、漆で仕上げるとがらっと雰囲気が変わります。
カエデ(楓)

  カエデ科カエデ属の落葉広葉樹。緻密な材です。しばしば写真右側のようにきれいな杢(もく)が見られます。漆で仕上げるととても美しくなりますが、木の繊維の方向が不規則なため彫るのが大変です。
  家具材や楽器などに使われています。
ケヤキ(欅)

  ニレ科ケヤキ属の落葉広葉樹。独特の木目が美しいです。とくに心材(木の中心に近い部分)に漆を塗ると、より美しくなります。
  耐久性・保存性も高く、建築材、家具材、漆器などいろんな用途に用いられています。
ホオ(朴)

  モクレン科モクレン属の落葉広葉樹。大きな葉、大きく白い花がつきます。彫刻材、漆器素地、下駄の歯(朴歯の下駄)、建築用の装飾材、箱材、楽器材、家具材その他に用いられるそうです。
  ホオの木は漆を塗るとより上品なかんじになります。
そのほか、山桜、杉などを使っています。
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2.彫りの作業


彫り・削りの作業 電動糸鋸でおおまかな形をつくっておき、ノミ・彫刻刀・小刀で形を整え、ヤスリと紙やすりで磨きます。
ひのきスプーン
ひのきスプーン




3.漆の種類


漆は1本の木から200g足らずしか取れない貴重な天然の塗料です。漆は高めの湿度と一定の温度の中で乾燥が進みます。そのため漆を固めるためには湿度・温度を保つための専用の場所が必要となります。

当工房では、最初に木に漆を染み込ませる作業(木地固め)では中国産生漆を使い、それ以外の工程(拭き漆や塗り)では国産漆(丹波漆・浄法寺漆)を使用しています。丹波漆は年に数kgしか生産されていない非常に貴重な漆です。

生漆(きうるし)

 漆の木から採取した漆液からゴミなどの異物をろ過して取り除いたものです。自然にいちばん近い漆です。最初は乳白色ですが、空気に触れると次第に茶褐色になり、乾燥すると漆黒になります。
透漆(すきうるし) 透明漆・素黒目漆

 熱を加えながらゆっくりと攪拌して精製された漆です。生漆よりも透明度・粘度が高いです。 生漆から水分を少なくしていくと半透明になってきます("くろめ")。そしてよく攪拌する("なやし")と漆の性質が均一化され粘土が増してきます。
黒漆

 漆を精製する過程で鉄分を加え黒変させたものです。時間が経つにつれ、少しずつ透明度が増してきます。
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4.顔料


三二酸化鉄 Fe2O3

 2010年6月以降、当工房では、通常赤の顔料として使われる弁柄(工業用の三二酸化鉄)よりも純度が高く(99.7%)、食用・薬用着色料として用いられる三二酸化鉄を使用しています。
 近江の赤こんにゃくの着色料として使われているものです。

 透漆(素黒目漆)に混ぜて使います。




5.漆の作業


  漆の"乾燥"は、一般的なイメージとは違い、一定の温度と湿度が必要です。湿度が低すぎると乾きません。そこで、漆が乾きやすいように、小さな乾燥室を設け、温度・湿度をコントロールしています。
一方、梅雨〜真夏時は、温度・湿度が上がりすぎるため、乾燥スピードのコントロールが難しく悩ましい時期でもあります。

木地固め

 漆を木の中によく浸透させ補強するため、最初に、生漆をテレピン油(松の油を蒸留したもの)で薄めて木に染み込ませ乾燥させます。
 2週間くらいかけゆっくり乾燥させます。


木地固めの後、様々な技法で仕上げます
拭き漆(ふきうるし)

 漆を木に摺り込み乾燥させる作業を、何度も繰り返します。木目を生かせる仕上げです。
木地呂塗り(きじろぬり)

 透漆(素黒目漆)を数回塗り重ねる仕上げです。最後はさらに細かい研磨剤で磨き上げ光沢と、しっとり滑らかな触感を出します。

 時間が経つと次第に漆に透明感が出てきます。
溜め塗り(ためぬり)

 下塗りをした後、弁柄漆(素黒目漆に三二酸化鉄を混ぜたもの)を塗り、さらに透漆を塗り重ねています。
 その他、弁柄漆や黒漆で仕上げたものもあります。
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