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漆仕上げの木製スプーン・フォークの特徴


木のスプーンは軽いです


・・・最初にうちのスプーン・フォークを手にとられた方の多くが、「軽い!」とびっくりされます。


色があせません


・・・プラスチック製品は時間が経つにつれて次第に色あせていきますが、漆は色が悪くなりません。赤い漆は使っているうちに赤がだんだんと鮮やかに、透明な漆は透明度が増してきます。使いながら育てていくのも漆の楽しみです。


漆のしっとり・滑らかな触感が心地よいです


・・・口に含んだときの安心感がなんとも言えません。病気のときにこの漆の感触の良さを実感する、と言われたこともあります。


陶器・磁器の器にあたるときにガチャガチャ音がしません。




普通に食器用スポンジ・洗剤を使って洗ってもかまいません。


・・・うちではジョイやその他の台所用洗剤を使って洗っています。ただし、食器乾燥機や食器洗い機のご使用はお控えください。




当工房のスプーン・フォークの特徴


本物の漆を使っています


・・・塗料は本物の漆のみを使っています。

 漆仕上げの初期の段階では(最初に漆を木に染み込ませる作業)、漆を木によく染み込ませ頑丈に仕上げるため、テレピン油(松の油を蒸留したもの)を漆に混ぜています。そのテレピン油も混ぜ物のない「純テレピン油」を使っています(その他のテレピン油よりも価格が高いです)。
 その他の作業においては混ぜ物のない漆のみを用いています。

 当工房では、最初に木に漆を染み込ませる作業(木地固め)では中国産生漆を使い、それ以外の工程(拭き漆や塗り)では国産漆を使用しています。
 作業工程については、"木のカトラリーができるまで"のページをご覧ください。


丁寧に仕上げています


・・・100円ショップなどで売っている木のスプーンと比べても、表面の仕上げの繊細さが全く違います。
漆のしっとり・滑らかな触感を体験していただけるよう、表面をきれいに仕上げています。
 木の表面に傷がついていると、漆を染み込ませたときに、その傷がくっきりと浮き出て見苦しくなります。木の表面をきれいに保ちながら漆仕上げをするのはとても根気と注意力のいる作業です。


フォークの先端部分・スプーンの縁も繊細に作り込んでいます


・・・フォークの先端はとくに摩耗しやすい部分です。そこを漆で重点的に補強しています。
しかし、ただ漆を塗るだけではフォークの先端が漆の表面張力のため丸くなってしまい、ささらないフォークになってしまいます。
そこで、ちゃんと刺さる形になるよう磨き上げ、形を整えています。
このやり方は、何度も試行錯誤を重ねてやっと現在の形になりました。


フォークの先端もこのように漆で補強しています。地味な部分ですが、塗り重ねと磨きの手間がかなりかかっています。

 スプーンも縁の部分が一番摩耗しやすいので、そこに漆を重点的に塗ることで補強しています。
 木地呂塗り(透明な漆を何度か塗り重ねていく技法)の場合も、まず漆をスプーンの縁のみに何度か塗って補強した後、さらに全体に漆を塗っています。
 ただ、全体に漆を塗るだけでは、スプーンの縁の部分の漆の層が薄くなってしまいます。そこでこの作業をする必要があるのです。お椀をつくるときに縁に布着せを(布を縁に漆ではりつけ補強する作業)する作業のかわりのようなものです。

左がスプーンの縁を補強していない木地呂塗りです。
右が補強しているものです。縁の部分の色がとくに濃くなっているのがわかると思います。普通に漆を塗っただけではこのようにはなりません。


スプーンの縁を漆で補強しています。


※ 彫り跡を残して仕上げたひのきのスプーン・フォークについては、漆がたくさん木の中に染み込んで十分に強くなっているので、上記のようなフォークの先端・スプーンの縁の補強はしておりません。

箸の先端にも工夫があります


・・・塗り箸でいつも思うのが、先端部分の塗りが輪のようにはげてしまうことです。他の部分の塗りは大丈夫なのにそこだけ塗料がはげてしまうことで寿命が短くなってしまいます。
そこで、その一番塗装がはげやすい部分に重点的に漆を塗り重ね、その後に全体に漆を塗ってさらに補強しています。


とくに補強していない場合、塗り箸の先端は使い込むとこんな風に塗装がはげていきます。


当工房の箸は、先端を重点的に漆で補強しています。


顔料も純度の高いものを使用しています(2010年6月以降に制作したものについて)
・・・赤色の漆は、精製された透明な漆に純度の高い三二酸化鉄(食品の着色料としても使われるものです)を混ぜて作ります。通常、赤い漆で使われる弁柄よりも三二酸化鉄の純度が高く、不純物の量が非常に少ないです。