鳥眼杢(ちょうがんもく):鳥の目のような模様を表す杢です。カエデ(楓)の木に出やすくバーズアイ・メイプルと呼ばれています。 泡杢(あわもく):水泡状の丸い輪郭をもつ模様で、泡立つように見えます。 玉(珠)杢(たまもく):瘤杢(こぶもく)。瘤は組織の中に病的にできるものですが、それを挽き割ると変化に富んだ杢となります。 ・・・他にも様々な杢の種類があります。詳しくは、府中家具のウェブサイトにある杢の種類のページ (URLは、http://www.fuchu.or.jp/~kagu/siryo/moku.htm)をご参考になると良いと思います。 <波状杢>
<泡杢>
<その他:どう分類していいのかわかりません・・・>
残念ながら、バーズアイ・メイプルはうちにはまだありません・・・ カナダの国旗として有名なサトウカエデは、幹に傷をつけて糖分を含んだ汁を採取してメープルシロップをつくることができます。国産のイタヤカエデ(板屋楓)も幹に傷をつけると糖分を含んだ汁が採れるそうです。ただし糖分の含有量は少ないそうです。 また、バイオリンなど楽器に使われるカエデ材は主に外国産のものが多いそうです。 スポルテッド・メイプル 杢、木目とはちょっと違いますが、カエデやトチ(栃)などの緻密な木材の場合、バクテリアなどの作用(人体に悪影響があるわけではないですよ!)によって木の中に黒っぽい筋が出来てくることがあります。 詳しいプロセスはまだよく知らないのですが・・・要するに少し木が朽ちかけたものと言えばよいのでしょうか。 カエデの木にそのような模様が出来ているものはスポルテッド・メイプルと呼ばれ、模様が美しいもの(あくまで個人個人の美的感覚によりますが)はギターなどの楽器に使われているそうです。
左の写真はうちの工房にあるカエデの木の写真です。ちょっと中途半端ですが・・・この筋がきれいな模様となって広がっていればそれだけ価値が高くなるようです。 右の写真はその部分でつくったスプーンです。拭きうるし仕上げです。 バーズアイ・メイプルやらスポルテッド・メイプル・・・カエデにはいろいろな呼び名があっておもしろいですね。 そのうち、イタヤカエデの木を探して写真でも撮ってみたいです。 参考文献 『木工の鑑賞基礎知識』木内武男著、至文堂 『木材−生きている資源−』成澤潔水著、パワー社 『木材の性質と加工』山下晃功編、宮崎擴道・古野毅・井上裕之・石丸進・番匠谷薫著、開隆堂 『木と日本人』上村武著、学芸出版社 |